三叉神経痛とは

 三叉神経とは顔面の感覚をつかさどる神経で、3つの枝に分かれていることからこのような名前がついています。顔面が痛むことから顔面神経痛などと一般に呼ばれることもありますが、顔面の感覚に顔面神経は関係していないのでこの呼び方は正しくありません。通常は枝分かれした1本の領域の痛みであることが大部分ですが、2本以上の領域に痛みがでることもあります。痛みの性状は、突発的な、電気の走るような痛みで、数秒、長くとも数十秒で痛みは消失し、間歇期には痛みがないことが特徴です。左右どちらかに限局し、両側が痛むことはありません。洗顔や、食事、歯磨き、髭そりなどで痛みが誘発され、虫歯と間違われて抜歯しても治らないとのことで紹介される場合もあります。

 

三叉神経痛の原因、診断

 三叉神経が脳幹部から出て、三叉神経節にいたるまでの部分に血管が当ることにより起こります。最近ではMRIで観察することにより三叉神経に血管が当っているのが容易に確認できるようになりました。

 下のMRIで上下方向に走るのが三叉神経で、斜めに横切り当っているのが原因となる血管です。

三叉神経痛の治療

 三叉神経痛の治療はまずはカルバマゼピン(商品名テグレトール)の投与を行います。これはてんかんの薬ですが神経の伝達を抑制することで痛みの情報伝達を抑制し痛みを軽減させます。眠気やふらつきが副作用としてあり、副作用が強い場合や効果がみられない場合は手術が必要となります。

 

三叉神経痛の手術

 手術は痛みがある側の耳の後方で毛の生えている部分に、生え際に沿って6-7センチの切開を加え(顔面けいれんより上方になります)、頭蓋骨に500円玉大の穴を開けます。脳を覆っている硬膜を切開し小脳をよけ、三叉神経に当っている血管を確認し、これを動かし、テフロン綿球やテープで血管を固定し、圧迫を解除するものです。合併症にはまれに術中三叉神経に触ることによる顔面のしびれや感覚が鈍くなることがあります。また聴神経が近くを走行するためごくまれに難聴が生じることもあります。一般的には術直後から痛みは消失し、約1-2週間で退院可能です。